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『Colette's atelier』 淡いオリーブグリーンの看板に紫で刻まれた文字。 「はわっ!何ご注文ですか?」飛び出してくる猫耳の少女こそこの工房の主コレットである。

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とある日のこと……

「うきゃぁぁあっ!?」
どごーん!爆音とともに吹き飛ぶ肢体。鍋から数メートル程離れた床に叩きつけられ眼を回す少女。
少女の名は、コレット=F=ラィラスという。
好奇心旺盛。かつ、かわいいもの好きの獣人の爪族である。
爆発と鍋から飛び散ったのは紫色の染料。濁り無く、綺麗なそれはとある依頼のために作られたものである。
「…大爆発、しちゃいましたけど、染料は無事っぽいですね…はぅぅ……」
ぐったりとする身体を持ち上げ、鍋の中を見て、ひとつ、大きなため息をつく少女。
冷たく硬い床に、また、身を預けて。ぐったりと眼を閉じる。
「……このまま、眠っちゃえば回復するですかね……?」
ああ、でも風邪を引いてしまいそうだ……などなど、他愛も無いことを考えながら、意識を半ば放棄する。

「――わっ、これは酷いっ」


少年の、声が、響いた。そんな気がした。
虚ろに開かれた瞳で見れば、そこにいるのは一人の人間の少年。
倒れている少女に駆け寄る少年。何か、薬を取り出す。
そのカプセル――見れば、うぞりと蠢く蟲の卵のつまったようなそれ――を口に含ませ、水で流し込ませていく。
ちょっとばかり気色が悪いなぁ、などとどこか頭の端で思いつつ、喉を鳴らし飲み干していく少女。
喉の奥で溶け落ちるカプセル、ぞわぞわとあふれて来るモノ。
そして、高まる熱と…そして、眠気。
「これで大丈夫。ゆっくりと休んでね。」
少年の優しげな声と……そして、笑みを見たような気がして、…そして、意識が途切れた。


「――――あれ?」
ふと、眼が覚めた。そこは工房にある仮眠用のベッド。
ばっ、と起き上がり、染料のどこか甘い香りに鼻を引くつかせながらベッドを出る。
「……昨日、ええっと……鍋を爆発させて……?」
いつ、ベッドに入ったっけな、と。考えながらスミレの匂いの溢れるその鍋に近づいていく。
軽く中身を掻き混ぜると、特にだまも無く良好な完成具合。
嬉しそうに鼻歌を口ずさみながら、それを瓶に詰めながら思う。
――あの男の子に、また会ってお礼が言えたらいいな。
そう、少し頬を赤らめながら考えて。

……そんな、朝のこと。ひとつの小さな思い出。



…と、という訳でちょっとした思い出話というかなんというか…なのですよ、うん。
……じゃ、じゃあ、これで私は!

PL:というわけで、なごみんさんのルーシェに看護をいただいた記念ぷちSSですの。
なごみんさん、あまり上手くかけませんでしたがこんな感じです(笑)
でわでわ。
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